梅の産地にのし梅あり。和風総本家の「ニッポンの百年手みやげ」を見ていたら、なんだか山形の「のし梅」が食べたくなりました。
のし梅の特徴
- 山形の梅を使ったゼリー
- すり潰した梅を寒天に練り込んでいる
- 薄くのして乾かし、竹の皮で挟んでいる
- 透き通った琥珀色が美しい
- 厚さは約5mm
- 甘酸っぱい
のし梅の歴史
のし梅の紀元は、文政年間頃と言われています。
山形城主最上家の典医「小林玄端(こばやしげんたん)」が、長崎で勉強中に、中国人から梅醬(ばいしょう=梅干しの肉をすりつぶし、砂糖を加えて練ったもの)を原料とした秘薬の製法を伝授され、暑気除けの妙薬として売り出したのが始まりです。
小林玄端の帰郷後、梅醬に粗糖(そとう=加工段階にある砂糖の一種)を混ぜ合わせ、笹の葉にのし、「のし梅」と名前を付けて売り出したところ、多くの名匠によって口伝えで秘法が伝わりました。
さらに現代の製菓技術の粋を加えて、山形名産の「のし梅」として現在に至っています。
山形はその昔、紅花の産地でした。染料になる「紅」を取るためには梅の酸が必要なため、梅栽培も盛んに行われていました。梅は酸を取るには青梅が良く、完熟した梅を使ったのし梅は、無駄なく効率よく作られた名産品と言えます。
水戸や和歌山でものし梅が作られていますが、製法や仕上がり、文献への登場頻度・時期からみると、山形のものが一番古いと推察されています。
のし梅を食べた感想
酸味が少ない甘い梅味を想像していたのですが、実際は少し違っていました。
酸味が強い甘酸っぱさで、炭酸のようなシュワシュワ感があります。じっくり味わうと、美味しい梅干しのような味がします。
「最初は酸っぱいな~」と思いましたが、食べていくうちにクセになり、1枚食べ終わると「もう少し食べようかな」という気持ちになりました。
常温で食べるよりも冷やした方が美味しく、梅独特のさわやかな酸味は夏向きの味です。
ほど良い弾力感がありますが、気を付けないとのし梅がぐにゃっと曲がってしまいます。竹の皮に挟んだままの方が食べやすく、さらに美味しいですよ。
5枚入りの少量サイズは、昔懐かしい素材のリボンが結んであります。ひとつひとつ手作りの愛情が感じられて、とても嬉しくなりました。
この心遣いがさらにのし梅を美味しくしているのだと思います。
のし梅の商品概要
商品名 | のし梅 |
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製造者 | 玉屋総本店 |
製造者住所 | 山形県山形市鉄砲町3丁目2-16 |
原材料 | 砂糖、梅、水飴、寒天 |
賞味期限 | 3ヶ月 |
保存方法 | 直射日光・高温多湿を避けて保存 |