みなさんは、日本三大銘菓って知ってますか?
和菓子の種類はたくさんあるけれど、三大銘菓と呼ばれるお菓子は、歴史が古く、江戸時代の藩主たちに愛された上品で美味しいものばかりです。
そこで、日本三大銘菓がどのようなものかを紹介したいと思います。
森八「長生殿」(石川県)
石川県金沢市「森八」で作られている落雁の最高級品。紅白で、徳島県産の和三盆と北陸産のもち米が使われています。
1625年(寛永2年)、加賀藩3代藩主前田利常より七夕のための落雁を作ることを命じられた、三代目森下屋八左衛門(森八の前身)によって作られた和菓子。
利常が、唐墨をまねた上品な形を考案し、落雁の「長生殿」の文字は、茶道遠州流の始祖、小堀遠州の筆によるもの。
名前の由来は、漢詩「長恨歌(ちょうごんか)」の末章より、唐玄宗と楊貴妃が七夕に愛を語りあった場所である長生殿に由来しているとされています。
大和屋「越乃雪」(新潟県)
新潟県長岡市「大和屋」で作られている落雁。褐色がかった色をしてるが、まぶされた粉砂糖により雪原のようなきらめきが見えます。徳島県産の和三盆と越後産のもち米が使われています。
発祥は1778年(安永7年)。大和屋庄左衛門が病中の長岡藩藩主牧野忠精を見舞う際、白雪糕(はくせつこう)を真似て、もち米と和三盆の白玉粉で作った落雁が基とされています。
名前の由来は、忠精の病気が完治したのち、越路の山々に降る雪になぞらえて「越乃雪」の銘を与えたとされています。
白雪糕
うるち米ともち米の粉に白砂糖やハスの実の粉をまぜて作った落雁状の干菓子。
「山川」(島根県)又は松屋利右衛門「鶏卵素麺」(福岡県)
山川
島根県松江市の銘菓。風流堂・彩雲堂・三英堂等の和菓子店で作られている落雁。紅白一対になっていて、和三盆と寒梅粉が使われています。
1806年(文化3年)、隠居して不昧(ふまい)と号した松江藩7代藩主松平治郷が、江戸・品川の菓子司伊勢屋越後大掾(いせやえちごだいじょう)に作らせた軟落雁。
名前の由来は、手で割った時の凹凸がまるで山と川の様に見える為、治郷の詠んだ「ちるは浮き 散らぬは沈む 紅葉はの 影は高雄の 山川の水」と言う歌より命名したと言われています。
号
称号の略。本名とは別に使用する名称のこと。
鶏卵素麺
福岡県福岡市「松屋利右衛門」で作られている南蛮菓子。氷砂糖を沸騰させて作った蜜の中に、卵黄を細長く流し入れ、素麺上に固めて切り揃えたもの。
初代松屋利右衛門が長崎の出島を訪れた際、ポルトガルから渡来した南蛮菓子「フィオス・デ・オヴォス(卵の糸)」の製法を学び、これを「鶏卵素麺」と名付けて、1673年(延宝元年)に博多で製造を始めましす。延宝年間に福岡藩主黒田光之に鶏卵素麺を献上して、黒田藩御用菓子司となりました。
ちなみに鶏卵素麺は、大阪市の鶴屋八幡や高岡福信、京都市の鶴屋鶴寿庵などの老舗でも作られています。
最後に
日本三大銘菓として挙げられるのは
- 「長生殿」「越の雪」「山川」
- 「長生殿」「越の雪」「鶏卵素麺」
- 「長生殿」「越の雪」「山川」「鶏卵素麺」
の3パターンがあります。
機会があったら、美味しい抹茶とともに食して下さいね。