亀戸天神で藤棚を観賞したあと、船橋屋の前を通ったら行列ができていました。ここでは亀戸名物「元祖くず餅」が食べられるとのこと。
関東の久寿餅(くずもち)は、東京都江東区亀戸天神社と東京都大田区池上本門寺と神奈川県川崎市川崎大師の名物でもあります。
関西の葛餅(くずもち)は、葛粉(くずこ)を使うので透明ですが、関東のくず餅は乳白色をしているんですよ。
元祖くず餅の特徴
元祖くず餅とは、亀戸天神名物の小麦澱粉を使ったお餅です。
- 餅だけどモチモチしていない
- のどごしがいい
- 乳酸菌で15カ月間発酵させた小麦澱粉を使用
- 澄んだ乳白色で、ヨーグルトのような香りがする
- 粗目に挽いた香ばしいきな粉と、沖縄産黒糖を使った濃厚黒蜜をかけて食べる
- 防腐剤やPH調整剤などを使わない無添加素材
- 消費期限が短いぶん、新鮮な状態で食べられる
- 和菓子の中で唯一の発酵食品
- 消化吸収を高め、腸内環境の改善が期待される
- 冷蔵庫で冷やすと固くなるので常温で保存すること(冷凍なんてもってのほか)
元祖くず餅の歴史
船橋屋は、1805年(文化2年)創業。
船橋屋初代勘助の出身地は下総国(千葉県北部)の船橋です。その当時、下総は良質の小麦が採れる産地でした。
勘助は、亀戸天神が梅や藤の季節に、参拝客でにぎわうのを見て上京し、湯で練った小麦澱粉をせいろで蒸し、黒蜜きな粉をかけて餅を作り上げました。
それがあっという間に参拝客の人気となり、「くず餅」と名付けられ現在に至っています。
芥川龍之介、永井荷風、吉川英治らが好んで食べた江戸の名物でもあります。
元祖くず餅を食べた感想
今回食べたのはカップ入り。8切れ入った1人分です。
カップの蓋を開けると真っ先に、きな粉の香ばしい香りがふわっと漂い、中に入っていたのは三角に近い台形のくず餅でした。
餅というだけに、わらび餅のような弾力を想像していたのですが、実際はちょっと違いました。弾力はありますが、あまり水っぽくない固めの寒天よせに近いです。何とも言えない独特な食感が癖になります。
餅はあまり気になるような匂いはせず、甘さもありません。香ばしいきな粉と、コクがある黒蜜が際立つように、余分な味付けはしていないようです。
どちらかというと、くず餅の独特な食感を楽しみ、きな粉黒蜜そのものを味わうといった感じです。黒蜜は甘さ控えめで、きな粉の香りも十分楽しめます。きな粉は粗挽きのため黒糖に完全に溶けず、食感も残っています。
のどごしが良いくず餅は、あんこやアイスクリームをトッピングしても美味しくいただけますね。
元祖くず餅の商品概要
商品名 | 元祖くず餅 |
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製造者 | 船橋屋 |
製造者住所 | 東京都江東区亀戸3-2-14 |
原材料 | 小麦澱粉、糖みつ、砂糖、大豆(遺伝子組替大豆不使用)、水飴、黒糖 |
賞味期限 | 2日 |
保存方法 | 直射日光・高温多湿を避けて保存 |