きんつばって四角いあんこの塊に、薄い衣をつけて焼いた和菓子というイメージがありますが、「きんつば」って変わった名前ですよね。
全く知らない人にとっては、その名前からどんなものかを想像することもできません。
そこで、きんつばがどのような和菓子で、なぜこんな名前がついたのか、歴史を探ってみたいと思います。
きんつばの歴史と名前の由来
「きんつば」は漢字で金鍔と書きます。鍔(つば)とは、刀の鍔のことです。
きんつばは江戸時代中期に京都で考案されたもので、餡を上新粉の生地で包んで焼いていました。当時の形は四角ではなく丸い形だったんですよ。
刀のツバは金色よりも銀色が多く、その丸い形と色から「銀鍔(ぎんつば)」と呼ばれていました。
ところが、製法が江戸に伝わると「銀よりも金のほうが景気が良い」との理由で、きんつばという名前になりました。
※この時に、生地の材料が上新粉から小麦粉に代わっています。
角きんつばが主流になった理由
四角いきんつば(角きんつば)は、神戸元町の紅花堂(現在の本高砂屋)の創業者である杉田太吉が、明治時代に江戸きんつばを改良したものです。
皮をごく薄く、あんこをたっぷりにし、六法焼きの形にしました。1度にたくさん焼けるようになったきんつばは、神戸の港で働く人たちのおやつとして、爆発的な人気を呼びました。
現代のきんつばの主流は角形ですが、丸形のきんつばもごく一部に残っています。