饅頭は、その名前の通り(万や十とも)数えきれないほどの種類があると言われています。
その中でも別格に美味しいものは「日本三大饅頭」と称されるほど。
そこで、日本三大饅頭がどのようなものかを紹介したいと思います。
塩瀬総本家「志ほせ饅頭」(東京都)
日本の饅頭の始祖で、創業1349年(貞和5年)。
室町時代の公家や貴族に愛された塩瀬総本家の饅頭は、大和芋と上新粉を合わせて練り上げた皮と、ほのかな甘みの小豆のこしあんからできた薯蕷(じょうよ)饅頭。
皮も餡もキメが細かくしっとり滑らか。上品な甘さと柔らかい舌ざわりが絶品です。ツヤがあり、見た目も美しいのが特徴です。
大手饅頭伊部屋「大手まんぢゅう」(岡山県)
創業1837年(天保8年)。
江戸時代の大名のお茶会で親しまれた饅頭は、自家製の甘酒と小麦粉を混ぜ合わせた皮で、しっとりしたこしあんを包んで蒸しあげた酒饅頭。
一口サイズの小さな饅頭は、ぶどう色の餡が透けて見えるほど皮が薄いです。あんこの比率が多い割にはしつこい甘さはありません。口いっぱいに甘酒の香りが広がり、甘酒のコクと餡の甘さが程よく調和したまろやかな味わいです。
柏屋「柏屋薄皮饅頭」(福島県)
創業1852年(嘉永5年)。
江戸時代の庶民を虜にした柏屋の饅頭は、黒砂糖風味で薄皮が特徴の黒糖饅頭。
通常の饅頭よりも皮が薄いので、あんこのボリュームがあります。その分甘さがあるものの、サラッとしていてくどくなく、後を引かない甘さです。
中身はこしあんと粒あんの2種類。しっとりと滑らかでツヤもあります。こしあんは上品でなめらか。口どけが良くサラッとした甘さです。粒あんはあっさり。ふっくらとした粒の食感が楽しめます。
まとめ
日本三大饅頭は、室町時代より時を経て、公家から大名、庶民にいたるまで、多くの人々に愛された至極の逸品です。
種類は三者三様で、どれも甲乙つけがたい味わいと食感があります。
一生に一度と言わず、何度でも食べてみる価値があるのが、日本三大饅頭と言えます。