出典:Wikipedia
北海道育ちの私としては、ボーロと聞くと子供が食べる「卵ボーロ」を思い出してしまうのですが、佐賀の丸ぼうろは全くの別物で、とても歴史が古いんです。
丸ぼうろは「丸芳露」「丸房露」とも書かれることがある佐賀を代表する銘菓で、定番のお土産ともなっています。
日本への伝来
江戸時代、ヨーロッパ諸国の日本における布教活動や貿易と共に、他のお菓子や食文化と一緒に日本に伝えられました。また、ポルトガル船員の長い航海の保存食でもありました。
当時は現在より固くて小さなもので、クッキーに近いものでした。その後、卵や蜂蜜、ふくらし粉を使って改良を加え、日本人向きの味になりました。
北島ルーツ説
幕末に、横尾家にマルボーロの製法を習い、明治10年頃に「丸芳露」を完成させたという説。
横尾家のマルボーロ
寛文年間(1661年~1672年)に、長崎在住のオランダ人から、佐賀藩御用菓子司の横尾市郎右衛門が小麦粉に琉球糖を合わせて練り、天火で焼く製法を習って完成させた。
鶴屋ルーツ説
二代目店主 太兵衛が「丸房露」を長崎の出島でオランダ人より直接学び、佐賀に持ち帰ったという説。
松月堂ルーツ説
福岡県飯塚市に本社を構える千鳥屋の前身「松月堂」が、鶴屋が丸ぼうろを編み出す以前に既に製造していたという説。
松月堂
松月堂は千鳥屋の前身で、肥前国佐賀郡久保田村(現在の佐賀市久保田町)にあった。
参考千鳥饅頭の歴史丸ぼうろの名前の由来
丸ぼうろの名前の由来は諸説あります。
- 丸い形をしたボーロという言葉から「まるぼーろ」となった
- 東方見聞録で有名な「マルコ・ポーロ」が語源となった
- ポルトガル語でケーキを意味する「ボーロ」の名前が付いた
名前の由来は定かではありませんが、佐賀のぼうろは「まるぼうろ(丸ぼうろ・丸芳露・丸房露)」と呼ばれています。
丸ぼうろの特徴
小麦粉・鶏卵・砂糖が基本の材料です。
形はシンプルに丸くて平ら。クッキーのような見た目ですが、周りがサクッとしていて中がふっくらとしています。色は日に焼けた小麦色です。
アレンジの幅が広く、砂糖の種類は上白糖・三温糖・蜂蜜、焼き上げ温度は低い温度(170℃前後)から高い温度(300℃以上)、香りをだすためにごま油を使うなど、お店によって配合や製法も様々です。
一見、固そうに見えますが、ソフトクッキーのイメージに近いです(中にはカリカリに香ばしく焼いたものもアリ)。
「柔らかくてしっとり」「柔らかくてさっくり」など、お店によって特徴が異なるので、食べ比べて、自分のお気に入りを見つける楽しみがあります。